~製造業の末端で生きる~

機械加工(マシニング加工)における単価と数量の関係について解説!ロット外や再製作・追加製作は同じ単価では作れないよ!

 

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signal

私は機械加工(マシニング加工が主)の事業を

行っている町工場の役員として経営に携わっていますが、

お客さんの中には、

  • 見積りしたロット数量より大幅に少ない量での発注
  • お客様側の問題(キズや破損)で少量の再製作となった場合の発注
  • 発注ミスや発注漏れで少量の追加製作となった場合の発注

などのパターンでも

しれっとロット数量と同じ単価で注文書を発行してくる場合があります。

しかし、

数量が少なくなると同じ単価では作れないのですよ!

と心の中でいつも叫んでおりますw

まあ、普段の買い物でスーパー行ったりコンビニ行ったりで、

1個買おうが10個買おうが同じ値段で何の問題も無く買えるので、

機械加工の単価の仕組みを知らない方であれば、この感覚が当たり前っちゃ

当たり前なんですけどね。

そんな方にも機械加工の単価と数量の関係を理解してもらうべく、

この解説ページを書いて見た次第です!

どうぞご覧ください。

※単価算出は企業ごとに異なります。機械加工見積りを1500件以上

作成してきたワタクシsignalの我流の単価計算から解説してますが、

おおよそロジックは間違っていないかと。

 

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まずは機械加工(マシニング加工)の流れ(フロー)を理解しましょう!

単価について語る上で、

機械加工製品の受注~製品納入までの流れを理解している

ことが必要です。

【機械加工(マシニング加工)の流れ(フロー)】

①受注

②材料発注

③工具・治具の準備(段取り)・原点の設定

※新規で必要なものがあれば、工具・治具の購入

④プログラム作成・呼び出し

➄マシニングセンター加工

⑥検査(加工精度・外観)

⑦脱脂・洗浄・拭き上げ

⑧梱包

⑨出荷

こんな感じです。

流れ(フロー)について詳しく記事も書いてます。

ご興味あるかたはご覧ください。

マシニングセンターによる切削加工の流れ・手順・段取りを初心者でもわかるようにざっくり解説!【受注から出荷まで】

 

 

機械加工(マシニング加工)における単価と数量の関係について解説!

流れ(フロー)を理解していただけたところで、

本題の機械加工(マシニング加工)における単価と数量の関係について

解説します。

まず、上記で説明しました、流れ(フロー)を以下の3つに分別し、色分けします。

  • イニシャルコスト(最初だけ費用が発生するもの) 色:緑色
  • ロット毎に発生する作業 色:黄色
  • 1個毎に発生する作業 色:水色

 

①受注

②材料発注

③工具・治具の準備(段取り)・原点の設定

※新規で必要なものがあれば、工具・治具の購入

④プログラム作成・呼び出し

➄マシニングセンター加工

⑥検査(加工精度・外観)

⑦脱脂・洗浄・拭き上げ

⑧梱包

⑨出荷

 

このように3つに分別出来ました。

単価と数量の関係において重要な部分は、

黄色で分別した、ロット毎に発生する作業となります。

緑色の部分も単価に含める場合、重要となりますが、

今回はイニシャルコストは初回のみ掛かる費用として、

単価とは別費用として考えるものとします。

また、水色部分に関しましては、1個毎に掛かる費用ですので、数量の増減が

単価に影響は与えないと考えられます。

このロット毎に発生する作業は、数量が多ければ多いほど

単価を下げることが出来ます。

例えば、1秒1円として単価算出するとしましょう。

ロット毎に発生する作業が1時間かかるとすると、

ロットに対して3600円の費用が掛かります。

これを数量で割ったものが単価に上乗せされるわけですから、

  • ロット数量1個場合 ⇒ 3,600円/1個 = 3,600円/個
  • ロット数量10個の場合 ⇒ 3,600円/10個 = 360円/個
  • ロット数量100個の場合 ⇒ 3,600円/100個 = 36円/個
  • ロット数量1000個の場合 ⇒ 3,600円/1000個 = 3.6円/個

このように数量と単価の関係には

ロット毎に発生する作業費用と、ロット数量が大きく関係しています。

ゆえに、ロット1000個で単価見積りしているのに、

10個で受注した場合、

3.6円(1000個の費用)*10個 – 360(10個の費用)*10個 = -3,564円となり、

採算が合わなくなる。ということとなります。

逆にロット数量が多くなれば、ロット毎に発生する作業費用の1個あたりの費用を

下げられますので、発注側としたら値下げ交渉が出来るチャンス!と考えられます。

※ただし、製造メーカーのキャパシティやスケジュールがありますので、

多ければ多いほどよいというものでもなく、コストと納期・在庫のバランスが必要です。

 

 

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単価と数量に関してグラフを用いて深堀してみる。

ロット毎に発生する作業費用が3,600円一定とし、

ロット数量を増やしていった場合、1個あたりの費用押し下げ効果が

どのようになるか、表とグラフを作ってみました。

 

ロット数量が1~数百個までは単価の押し下げ効果が大きいことがわかり、

数万個レベルになると、ほぼ効果が無くなりました。

このように、ロット毎に発生する作業費用が、

ロット数量が小さい時ほど、数量の増減が単価に与える影響が大きく、

ロット数量が大きくなるにつれ、単価に与える影響小さくなることがわかりました。

 

 

これらのことから、ロット外や再製作・追加製作、ロット数量大幅減では同じ単価では作れないよ!

上記の理由により、

  • ロット外の少量生産
  • 再製作
  • 追加製作
  • ロット数量の大幅減

では、

 

同じ単価では作れないんです!

 

大事な事なのでもう一度いいます。

 

同じ単価では作れないんです!

 

どうしても同じ単価で製作したい場合、

大量発注で、上記ケースでも同じ単価で製作するよう事前交渉しておくことや、

見積りに上記ケースでも同単価で製作するよう盛り込んでもらうなどしておく

ことが必要となります。

 

今回は以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

signal

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