部品図面の見方・読み方を解説!【機械加工現場編】実際に加工する人目線で初心者・上級者・マシニング・旋盤・問わずためになる
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部品図面の見方(読み方)がわからない・・・
こういった方のために、
今回は
機械加工現場編!
ということで、実際に機械加工をしている人がどのように図面を見て(理解して)
機械加工を行っているのか。についてブログ記事にしていこうと思います。
サンプル部品を例に初心者の方にもわかりやすいように解説していきますので
どうぞご覧ください♪
部品図面とは?
まずはこれですね。
部品図面は、あるモノをつくりたい!となった時に
このようにつくってねー。と
作りたい人が作る人に指示を出すもの。
と私は解釈しています。
つまり、その部品図面を見れば、誰でも同じモノが作れるような情報が
記載されている紙。ということですね。
機械加工で部品製作をする人は、この部品図面を正しく読み取り、
理解することによって、作りたい人が作りたいものを製作出来ます。
実際にサンプル図面で図面の読み方を解説!
さあ、それでは実際にサンプル図面を使って
図面を読んでみましょう!
サンプル図面はこちら(適当に書いてるので細かいツッコミは無しでお願いしますw)
画像クリックすると拡大します。
取付プレートAという部品を機械加工する。ということで見ていきましょう!
手順① 品名・図番・改訂情報の確認
これは間違えてはいけないヤツですw
本来作るべきモノでない図面を見ていては本末転倒ですから。
類似部品が数多くある場合などは特に注意が必要です。
また、改訂情報もしっかりチェックしましょう。最新の図面であるか?
改訂でどのような図面修正があったか。などは把握しておく必要があります。
手順② 部品全体のサイズを把握する。
部品全体のサイズはどれくらいなのか?
まずはこれを見ます。
ワーク(部品)サイズによって、自社の持っているマシニングや旋盤で
対応出来るのか?どの機械で加工出来るのか?を見ます。
サイズオーバーの部品では加工出来ないですからね。
上記図面の赤丸部分を見ます。
厚さが30mm、幅が50mm、長さが100mm ということがわかりますね。
手順③ 材質を把握する。
次に材質を見ます。
材質は表題欄に記載している場合がほとんどで、
【材質】とか【MATERIAL】という項目を見ます。
今回はA5052Pということでアルミ合金であることがわかります。
手順④ 公差の確認
一般公差(個別に記載のない寸法の公差)の確認。
一般公差については、上記画像右側の赤枠部分のように
一覧表が記載してあったり、
注記にJISを呼び出してあったり、
図面を書いている企業によってフォーマットはさまざまです。
何も記載のない場合は客先や上司に確認しましょう。
一般公差が確認出来たら、次に個別に公差が入っている寸法は無いか確認しましょう。
サンプル図面にもありました。
10mmの溝幅に寸法公差が記載してあります。
これは図面作成者が意図的に公差を設定していますので、
細心の注意を払って加工する必要があります。
※寸法公差要求が厳しい場合、求められる精度をしっかり保証できる
測定機器があるかどうかチェックしましょう。
手順⑤ 表面粗さ(面粗度)の確認
黒皮(素材のまま)でよいのか。
フライス面なのか、切断面でよいのか。などを確認します。
図面左上に書いてあるのが一般的ですかね。
面粗さも寸法公差同様に個別で指定してあることもあります。
左上の面粗さ表記部分に()で囲ってあるものがある場合は
個別表記がありますのでしっかりチェックしましょう。
※寸法公差同様、求められる面粗度要求が高い場合、しっかりと
面粗度測定が出来る測定設備が備わっている必要がありますので
チェックしましょう。
面粗さの一覧表については↓下の記事を参照ください。
現場で使える機械加工屋の表面粗さ一覧表(新旧JIS対応表)【切削,フライス,マシニング,三角,Ra,Rz,Ry,▽など】
手順⑥ 注記の確認
注記に書いてある情報もチェックします。
一般公差についてや、バリ無きこと、その他、結構重要なことを
さらっと書いてあることもあるのでしっかりチェックです。
手順⑦ 工程数・加工順を決める。
図面から工程数を決めます。
ここはノウハウ・経験が問われます。
今回のサンプルだとこんな感じでしょうか?
(今回は外形は6F材or4F材で仕上がっているものとします。)
今回の場合、順番はたいして重要ではないですが、
工程数は3工程であることは把握しておきましょう。
①工程・・・φ5.5キリ穴加工とφ9.5ザグリ穴を4カ所
②工程・・・10mm幅の溝加工
③工程・・・M6タップ(2カ所)
手順⑧ 基準面を把握する。
基準面は工程ごとにバラバラになってしまうと、
累積公差で機能不良になってしまいます。
各寸法ごとに基準面を把握して、加工するようにしましょう。
基準面について記載すると長くなるので細かくは割愛・・・
手順⑨ 使用工具、治具の選定
各工程で使用する工具、治具を選定します。
具体的にサンプル図面で考えてみるとこんな感じです。
①工程
工具・・・センタードリル、φ5.5ドリル、φ8エンドミル
治具・・・ストッパー、バイス、ゲタ
②工程
工具・・・φ8エンドミル
治具・・・ストッパー、バイス、ゲタ
③工程
工具・・・センタードリル、M6下穴用ドリル、M6タップ
治具・・・ストッパー、ゲタ
手順⑩ 体裁面(外観面)の記載がないかチェックする
最近は特にうるさいのでしっかりチェックしましょう。
品質保証部門がはばをきかしている客先はとくにチェックw
キズや打痕は客先によって全然評価が違います。図面には抽象的な表現でしか
書いてないことも多いので、体裁面表記がある場合はしっかりと打合せしましょうね。
体裁面表記についてはこちらの記事を参照ください。
その他
機械加工には直接関係ありませんが、
表面処理の有無、熱処理の有無、重量などの記載もあります。
適宜必要な情報は目を通しておきましょう。
こんなところでしょうか?
これにてsignal流!図面の見方・読み方【機械加工現場編】終了です。
何か抜けやアドバイスあれば、お気軽にコメントください。
最後までお読みいただきありがとうございます。
signal
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