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【固定サイクルG73,G81,G83の解説】使い分け・違いについて。マシニングセンターでのドリル加工。動画あり。

 

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今回はマシニングセンターでドリル加工する際に

必ず使用するであろう固定サイクルのGコード、

 

G73,G81,G83

 

について解説します!

どのような違いがあるのか?

どのように使い分けるのか?

など、これからマシニングセンターを使用してドリル加工を

始めるかたなどはわからないのでは?と思い記事にしました。

どうぞご覧ください♪

※一応ここではGコードの知識はある前提でお話ししています。

固定サイクル?R点?イニシャル点?というかたにはちょっと厳しい

内容かと思いますので、わからないことがあったらぜひコメントにて

ご質問くださいね。

※NCはファナックの0Mベースで書いてます。

 

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固定サイクルG81の解説

まずは一番シンプルな動きとなるG81について。

Gコード:G81

名称:ドリルサイクル スポットボーリング

 

 

①X軸Y軸を穴位置まで早送り

②R点まで早送り

③Z点まで切削送り

④I点かR点まで早送り ←電源投入時はI点まで。G99指令でR点までに変更可能。

 

【動画で確認】固定サイクルG81

 

 

固定サイクルG81の特徴

・動きがシンプルで加工時間がG73,G83に比べて早い。

・ワーク素材によっては切り屑がドリルに巻き付いてしまう。

(ドリル折損、ワークにキズがついてしまう)

・深穴加工には適さない(切削油がドリル先端に届かない。切り屑の排出が悪い)

 

 

固定サイクルG73の解説

Gコード:G73

名称:ペックドリリングサイクル(高速深穴あけサイクル)

 

 

①X軸Y軸を穴位置まで早送り

②R点まで早送り

③Z点まで以下の動作を繰り返します。

Qの量だけ切削送り⇒dの量だけ早送りで戻る⇒戻り分+次のQの量まで切削送り

⇒dの量だけ・・・(くりかえし)

※Qは固定サイクルで設定します。dは機械パラメータで設定します(されています)。

④I点かR点まで早送り ←電源投入時はI点まで。G99指令でR点までに変更可能。

 

 

【動画で確認】固定サイクルG73

 

 

固定サイクルG73の特徴

・dの量だけ戻りがあるためその分ドリル先端に切削油が行き届く。

・切り屑がドリルに巻き付くような素材は、切り屑を分断してくれる。

(ドリル折損防止、ワークの巻きキズ防止)

・5D以上の深穴加工でトラブル発生時はG83に切り替える。

 

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固定サイクルG83の解説

Gコード:G83

名称:ペックドリリングサイクル(深穴あけサイクル)

 

 

①X軸Y軸を穴位置まで早送り

②R点まで早送り

③Z点まで以下の動作を繰り返します。

Qの量だけ切削送り⇒R点まで早送りで戻る⇒前に切削した点よりdのクリアランス分

だけ戻った位置から切削送り⇒R点まで・・・(くりかえし)

※Qは固定サイクルで設定します。dは機械パラメータで設定します(されています)。

④I点かR点まで早送り ←電源投入時はI点まで。G99指令でR点までに変更可能。

 

 

【動画で確認】固定サイクルG83

 

 

固定サイクルG83の特徴

・Qの量切削したらR点まで一度戻るため、ドリル先端にたっぷり切削油が行き届く。

・R点まで一度戻るため、切り屑が切削油で流され、穴の中がきれいな状態になる。

・切り屑がドリルに巻き付くような素材は、切り屑を分断してくれる。

(ドリル折損防止、ワークの巻きキズ防止)

・5D以上の深穴加工で使用!?。(G73でトラブル時に使用!?)

 

固定サイクルG73,G81,G83の使い分け

各固定サイクルの特徴、動きがわかったところで、

次はどのように使い分けるのか?について書いていきます!

※細かいところは人それぞれのノウハウがありますのでわかりませんが

私のやり方を紹介します。

 

まず、

スピード G83 < G73 < G81

となります。

G81はR点からZ点まで一気に切削するので一番早い。

G73はQの量切削送りしたらdの量だけ戻るのでその分遅い。

G83はQの量切削したらいちいちR点まで戻るので一番遅い。

 

次、深さに対する適用ですが、

G81 < G73 < G83

となります。

G83はR点までいちいちもどるため切り屑の排出も◎、切削油の供給も◎

G73はQの量切削したらd戻るため、その分、切り屑が分断され折損防止、

切り屑がドリルに巻き付くことによるワークの巻きキズ防止になりますし、

切削油も先端に多少供給されます。

G81は・・・切り屑排出、切削油の供給の面では×ですね。

 

このようなことからこんな感じ私は使いわけてます。

 

深さ3D以下・・・基本G81を使用。巻きキズトラブルがある場合G73使用。

 

深さ3D以上~5D・・・基本G73使用。なにかトラブル発生時はG83使用。

 

深さ5D以上・・・G83使用。どうしても加工時間を短縮したい場合は攻めてG73使用。

 

どうですか?

みなさんの使い方でおすすめあれば教えて下さい。

以上最後までお読みいただけありがとうございました。

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