【下穴深さ設定方法・手順を簡単解説!】マシニング初心者向けに止まり穴タップ加工下穴深さ設定方法をやさしく教えるブログ記事
【アフィリエイト広告を利用しています】
【アフィリエイト広告を利用しています】
今回は止まり穴のタップ加工をする際、
下穴深さはどうやって決めたらいいの?
という初心者の方向けに、下穴深さの設定方法について
ブログ記事を書きました♪
※下穴深さの設定方法は企業ルールなどで決まっている場合が
ありますので、お客様または自社でルールが無いか確認しましょう!
タップ下穴深さの設定方法
タップ下穴深さを設定するには
次の数値を知る必要があります。
①ネジ部の有効長(有効深さ)
②タップの不完全ネジ部+α
③タップと下穴のクリアランス
④ドリル切れ刃(先端長さ)
各種どの部分なのかは下の画像を見てください。
①~④の数値を合計したものが
下穴深さ となります。
【実践!】止まり穴のタップ下穴加工深さを設定してみよう!
上記の数値がわかれば下穴深さを設定できることは
前述したとおりです。
それでは、具体的に止まり穴のタップ下穴加工深さを設定してみましょう!
①ネジ部の有効長(有効深さ)
ネジ部の有効長(有効深さ)は図面から読み取ります。
図面の例は↓↓↓
50x100x100のブロック中心にM6タップの止まり穴をあける図面です。
図中『M6ネジ深さ12』と表記されているところの
ネジ深さ12 が有効長となります。
ですので①ネジ部の有効長(有効長さ)は12となります。
※図面の書き方は色々ありますので上記図面はあくまで一例です。
ネジ深さの書き方は企業によって色々あるので経験しながら覚えていってください。
②タップの不完全ネジ部+α
タップの不完全ネジ部については、
使用するタップにより異なるため、
メーカーカタログから数値を見つけます。
今回は汎用的に使用するスパイラルタップを選定するため、
OSGのEX-SFT(呼び寸法M6x1.0)をチョイス。
↓↓↓
OSGの総合カタログから数値を引っ張ります。
OSGのカタログでは不完全ネジ部は食付と表記されています。
上記赤枠部分のM6x1.0の食付(不完全ネジ部)は2.5Pとわかります。
PとはピッチのことでM6の並目ねじのピッチは1.0のため
2.5 x 1.0 = 2.5mmが不完全ネジ部であるとわかります。
あと問題は+αの部分です。これはタップ形状で有効長さ部分+不完全ネジ部以外に
先端に付いているものがある場合、その長さも考慮しなければなりません。
今回使用するEX-SFT(呼び寸法M6x1.0)にも
突出しセンタと呼ばれるもの(画像黄色囲み部分)が付いています。
(カタログにYesと表記されています。)
突出しセンタとはタップを製造する際に出来るものでタップ加工には必要ない
ものらしいです。(だったら取っちゃってくれよと思いますが・・・)
詳しくは公式のQ&A参照下さい。 ⇒ こちら
突出しセンタの長さもカタログに明記されています。
↓↓↓
M6の突出しセンタ長さは 2.6mm とわかります。
これで②はタップの不完全ネジ部(2.5mm)+α(突出しセンタ長さ)(2.6mm)
で5.1mmとなります。
③タップと下穴のクリアランス
タップと下穴は工具が別々ですから
工具長測定誤差が発生しますし、その他要員で
深さ誤差が発生し、下穴ドリルの肩よりタップが
深いとよろしく無いため、クリアランスを設定します。
だいたい0.5mm~1mmくらいでしょうか。
板厚などの要因でクリアランス取れない場合は
0.2mmくらいでもマシニングでは問題ないと思います。(しらんけど。)
ここでは0.5mmとします。
④ドリル切れ刃(先端長さ)
ドリルの先端には切れ刃が付いていますのでその分も考慮して深さを設定します。
今回のM6タップの下穴径は5.0となります。
↓こちらの一覧表を参照ください。
φ5.0のドリルで先端角は一般的な118°とすると
④ドリル切れ刃(先端長さ)は1.5mmとなります。
↓こちらの先端長さ一覧表を参照ください。
これですべての数値が出ました!
すべてを合計すると、
①12+②5.1+③0.5+④1.5=19.1mmとなりました!
今回のケースでは②の+α部分である突出しセンタが長さが
長くなる要因となってしまいましたので、突出しセンタが無いタップを
使用すればもっと下穴深さを短く設定することが出来ますね。
今回は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
signal
町工場の経営やマシニングセンター加工についてご質問受付中!!
初歩的なことも大歓迎です。
一緒に問題解決していきましょう!
下記問い合わせページよりお気軽にご連絡下さい!
http://alife-blog.com/contact/