~製造業の末端で生きる~

廃業する零細町工場の加工単価が安すぎる理由とは?転注するにも安すぎて他社で出来る会社がない!購買担当者の解決策は?

 
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signal

最近の見積りあるある。

お客さん:「いやー今まで発注していた工場が廃業になっちゃったんですよー。」

わたし:「そうですか。これから転注先見つけるようですね。」

お客さん:「そうなんですよ。signalさんとこで見積りしてくれませんか?」

わたし:「はい。ぜひ見積りさせてください。指値はありますか?」

お客さん:「零細家内工業でやってくれてたんで安いんですよ。***円でした。」

わたし:「・・・」「わかりました。取り合えず見積りしてみますね。」

(細かく見てないけど、パッと見でも安すぎやろ・・・)

こんな感じのやり取りが多いですw

 

なんでこんなに安い単価で加工を受けられるのだろー?と

日々疑問に思っていたので記事にして見ました。

私と同じように

廃業する零細町工場の加工単価が安すぎる理由

について疑問を持っている方はどうぞご覧ください。

 

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廃業する零細町工場の加工単価が安すぎる理由とは?

色々と考えられる理由を書いていきます。

そもそもの単価が合っていない。赤字で加工している。

昔ながらの零細下請け企業にありがちですが、その製品に対してどれくらいの

コストが掛かり、採算が合っているかどうかが判断つかず、発注業者の言い値で

加工している。また、根拠ある見積り算出が出来ずにどんぶり勘定で

これくらいかな?という感じで単価算出し、見積提出して受注したものの、

実際に加工して見たら想像以上に工数が掛かり、採算が合わなくなってしまった。

採算が合っていないものの、一度出してしまった見積り単価を値上げ交渉することが

出来ずズルズルと赤字で加工している。

 

設備更新の必要がなく、老朽化した設備で加工している。

事業を継ぐものがおらず、自分の代で廃業することを決めている工場などは、

未来に投資する必要がないため、設備投資を行わない。老朽化した

設備を修理しながらだましだまし使用しているため、設備投資の費用が

掛からず、その分安く加工出来る。

 

社長がほぼ趣味で加工している。

零細町工場あるあるですw昭和のバブル全盛あたりでバリバリ仕事していた

70代~80代の現役社長はホント加工というか仕事が好きな人が結構います。

なので、自分が好きで加工やっているので、利益度外視で、お小遣いくらいに

なればいいかなー。くらいで加工を受けていることもあります。

 

労務費が安い。

零細町工場は数人あるいは家族のみで営業しているため、

低賃金であったり、社会保険が整備されておらず、福利厚生費が

低い傾向があると思われます。

労務費が通常の会社より低く抑えられていることから、その分を

加工費に乗せる必要が無いため単価を抑えられる。

また、雑用などを家族が空いた時間にやってしまう。といったことも

日常的にあると想像しています。(雑用などを社員にやらせているとなると、

通常の会社ではその時間分もコストが発生していることになります。)

 

経費が余り掛からない

家内工業など、自分の家の一部が工場となっている場合、

電気、ガス、水道料金などは按分して低く抑えられるでしょうし、

工場を賃貸しているわけでもないので、家賃なども掛かりません。

このようなことから経費を抑えられ、加工費を安くできると考えられます。

 

一般管理費および販売費がほとんど掛からない

零細町工場では、決まった取引先から仕事をもらうだけ、という営業スタイルのため、

既存取引先とのやりとりは社長が行い、新規の客先の獲得などが必要なく、営業などはいません。

新規営業はしていませんから、広告宣伝費なども掛からず、事務作業もほぼないため、事務員もいません。

上記のことから、

  • 営業および事務員の人件費
  • 広告宣伝費
  • 事務用消耗品費
  • 通信費

などは極端に抑えられ、加工単価を安くすることが出来ている。

 

以上が私が考える廃業する零細町工場の単価が安すぎる理由となります。

 

 

単価が安すぎて転注出来ない!の解決策は?

インターネットで転注できそうな会社を3社ほどピックアップして

見積りお願いしてみたけど、高すぎて転注出来ない!

ということで頭を悩ます購買担当者も多いはず・・・

そこでそんな場合の解決策について考えてみました。

 

そもそも今までの加工単価が安すぎるだけで、高すぎない。

今まで家族だけでやっているような零細町工場に発注していた場合、

前述したような理由により、もともと加工単価が安すぎた。ということ

もあります。ここは世界的なインフレの波に乗って、加工単価の値上げ分を

製品単価に転嫁できないか検討する。

 

足で安い加工屋を見つける。

インターネット検索で上位表示されるような会社は、

広告宣伝費にしっかりお金を掛けて営業していますし、

今後成長するために設備投資もして、イケイケドンドンな会社が多いです。

そのような会社には御社のように加工先を見つけている企業からの問い合わせも

多く、自社のキャパが埋まっていて忙しいため、新規見積りも強気の単価で

出してくることも大いにあるでしょう。

安い加工屋はインターネットではなく、関係先から口コミで聞いたり、

小さな看板(ヘタすると看板もない)を出している加工屋などを、

泥臭く足で見つけて見ると良いかと思います。

 

今回は以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました!

signal

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