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【初心者向け】タップの種類と用途を解説!!メートルねじ(Mネジ)のタップ加工は3種類覚えておけばOK

2019/03/04
 
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signal

タップ加工をしたことがない方や

初心者の方向けにタップの種類と用途について記事にしました!

 

ネジの種類に関しては多種ありますが、ここでは
一般的に多用されているメートルねじ(Mネジ)としています。

 

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メートルねじを加工するタップの種類

メートルねじを加工するときのタップの種類は以下の5種類となります。

  • スパイラルタップ
  • ポイントタップ
  • 溝なしタップ(ロールタップ、タフレット、盛上げタップ、転造タップ)
  • ハンドタップ
  • スレッドミル

 

この中で初心者のかたに覚えて頂きたいのは上から3つ。

スパイラルタップ、ポイントタップ、溝なしタップは覚えて下さい!!

それでは各タップについて詳しく見ていきましょう!

 

スパイラルタップ

スパイラルタップの形状はこんな感じ。

 

 

その名の通りねじれがあるタップです。

 

用途は止まり穴のタップ加工をする際に使用します!

止まり穴の場合、タップ加工をした際に発生する切り屑が穴の

中に入って行ってしまうと、いずれ切り屑が詰まり

タップが折れてしまいます

そこで、

止まり穴の場合は切り屑が上側に排出されなければいけません

そのため、上の画像の通り、スパイラルタップには溝がついていて、

その溝を切り屑が通って上に排出されるように出来ているのです!

 

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ポイントタップ

ポイントタップの形状はこんな感じ。

 

さっきのスパイラルタップと違いねじれておらず、

ストレートの溝があります。

まだ登場していないハンドタップと形状が似ているのでパッと見では

ハンドタップかポイントタップか見分けがつきません。

見分け方としましてはタップに刻印されている型番からカタログ検索するか、

ポイントタップにはポイント溝と呼ばれる溝があるので、それがあるかないかで判断出来るでしょう。

※ポイント溝・・・上記画像のストレート溝とは別に先端にあるちょっと斜めに切られた溝。(わかりずらいorz)

 

用途は通り穴のタップ加工をする際に使用します!!

ポイントタップは切り屑を下側に排出します。

ゆえに、止まり穴で使用すると切り屑が中に詰まり折損しますので

ご注意下さい。

 

 

溝なしタップ(ロールタップ、タフレット、盛上げタップ、転造タップ)

溝なしタップの形状はこんな感じ。

溝なしタップはまず

呼び方が色々あってわかりずらい・・・

  • 溝なしタップ
  • ロールタップ
  • タフレット
  • 盛上げタップ
  • 転造タップ

パッと思いつく呼び方で上記のような呼び方があります。

このタップの特徴はスパイラルタップやハンドタップのような

切削加工によるねじ切り(タップ加工)ではなく、

下穴を塑性変形させて(盛上げ、転造などともいう)ねじ山を

作る加工となります。

そのため、

切り屑が出ません!!

タップ加工のトラブルの多くは切り屑が悪さして

ねじ精度不良やタップの折損してしまうことが

多いので、この切り屑が出ないというのはとてもメリットが大きいです。

そして止まり穴、通り穴でも使えます。

3点だけ注意点

  1. 下穴径がスパイラルタップやポイントタップと径が異なる。
  2. 硬い材料には向かない
  3. 下穴径がシビアなため手加工では使えない!?

 

私はこの溝なしタップを好んで多用していますが、

個人的な感想として

M10以上のタップ加工するときは余り使いません。

なぜかというと、この溝なしタップは塑性変形で盛り上げることで

ネジを形成するのですが、M10などネジサイズが大きくなると

盛上がりすぎてタップ加工をした面よりネジ部分が盛り上がってしまう

からです。(面を手で触ると、タップ部分だけポコッと盛り上がっている)

タップ加工のあとに正面フライスなどでタップ面を仕上げたり、盛り上がってる

部分を除去出来るくらいタップ穴を面取りするなら問題ないですが、

そのままだと面が盛り上がります。

なので溝なしタップは~M8くらいまでをおすすめしときますね。

 

ここまでの3つのタップ

  • スパイラルタップ
  • ポイントタップ
  • 溝なしタップ(ロールタップ、タフレット、盛上げタップ、転造タップ)

この3つを最低限覚えて下さい!

残り二つ

  • ハンドタップ←手加工で使用
  • スレッドミル←マシニングセンターでxyzの3軸ヘリカル加工で使用

それぞれの用途で加工するケースがあった場合に覚えるくらいでOKだと思います。

 

タップ選定方法

※ここではマシニングセンターなどで下穴を垂直に精度よく加工出来ることを前提と

しています。ボール盤などの加工機の場合は溝なしタップは向いていない?と思いますので

(使ったことないのでわかりませんが・・・)スパイラルタップかポイントタップから

選定します。

 

素材は溝なしタップに向いている材質(アルミ、ステンレス、銅など)か?

 

  • はい ⇒ 溝なしタップを使いましょう。(個人的には~M8まで)
  • いいえ ⇒ 止まり穴の場合・・・スパイラルタップ

         通り穴の場合・・・ポイントタップ

 

こんな感じで選定すれば問題ないと思います。

私のおすすめは切り屑のトラブルが無く、安定したネジ加工が出来る

溝なしタップがファーストチョイスとなり、それが向いていない素材や

M10以上の大きいサイズとなると、

止まり穴はスパイラルタップ

通り穴はポイントタップ

と使いわけています。

 

最後までお読みいただき感謝いたします。

signal

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